やはり危険なティッシュペーパーの箱「フィルムレスボックス」
08/DEC/2003掲載危険なティッシュペーパーの箱「フィルムレスボックス」』の続報です。昨日、近所の量販店で見たら製品仕様が変更されていたため、確認のため購入してみました。取り出し口が少し広くなり、指が挟まりにくくなっています。しかし、フィルムはミシン目で手や指が傷つかないよう保護する機能も担っているため、フィルムをなくし、ミシン目に対する防護機能を追加していない以上、従来製品との比較で危険になります。あらためて疑問を提示します。環境への配慮は利用者が怪我する危険を冒してまでやらなければならないことなのでしょうか。

01/MAR/2004 掲載

製品仕様が変更された「フィルムレスボックス」 右の写真は近所の量販店で昨日買ってきた仕様変更された「フィルムレスボックス」です。前編の『08/DEC/2003掲載危険なティッシュペーパーの箱「フィルムレスボックス」』において私が指摘していた問題に対する改良と思われる点がいくつか見受けられました。おそらく、同様のクレームが他の利用者からも入ったのでしょう。問題提起した以上、その後の対応を追跡する責任があると考え、仕様変更による効果を確認するため、購入・検討してみました。

取り出し口が少し広くなったことにより指が挟まりにくくなっています。 右の写真は大人(私です)の指を取り出し口に入れてみたところです。取り出し口が少し広くなったことにより指が挟まりにくくなっています。

以前の製品仕様では、指を差し込んで引き抜こうとすると指が吸い付くようにぴったりと挟みこまれ、大変危険でした。今回の仕様ではほとんど挟み込まれることはなく、すっと指が抜けました。この点では安全になった言えます。しかし、なぜか相変わらずこの「フィルムレスボックス」から危険を感じます。以下、なぜ危険を感じるのか考察してみました。

うちの2歳になる娘の手と「フィルムレスボックス」の大きさを比較したものです。 右の写真はうちの2歳になる娘の手と「フィルムレスボックス」の大きさを比較したものです。前編で、子供がふざけているうちに怪我をする危険性があると指摘していましたので、これを確認してみました。


手首まで入った状態でも取り出し口が両側とも上向きのままになっていて、子供の手はすっと抜けました。 右の写真は、子供の手を取り出し口に入れてもらった所です。手首まで入った状態でも取り出し口が両側とも上向きのままになっていて、子供の手はすっと抜けました。大人の指と同様、以前の製品仕様より安全になっていると言えるでしょう。

しかし、なお、「フィルムレスボックス」から危険を感じます。では、どこに危険を感じるのか?取り出し口にフィルムを使用している従来製品と比較してみることにしました。

取り出し口が少し広くなり、指が挟まりにくくなっていました。 右の写真は上記と同様、うちの2歳になる娘にお願いして、取り出し口にフィルムを使用している従来製品(王子ネピア株式会社、「ネピアふんわりスリム」)の取り出し口に手を入れてもらった所です。これには「危ない」と感じませんでした。

もちろん、子供の手だけでなく、大人である私自身の手や指でも確認してみましたが、何度手を入れても「危険だ」と感じません。それは、フィルムがすべすべとしているため、取り出し口のミシン目がひっかかりにくいからです。これで、「フィルムレスボックス」のどこに危険を感じていたのかはっきりしました。仕様変更により危険性は低減しましたが、フィルムを使用している従来製品に比べると、やはり「フィルムレスボックス」は危険です。

これまで、取り出し口のフィルムの機能は、ティッシュペーパーを保持する、ホコリの侵入を防ぐ、だけかと思っていましたが、実はミシン目で手や指が傷つかないよう保護する機能も担っていたと考えるべきでしょう。このフィルムをなくし、ミシン目に対する防護機能を追加していない以上、従来製品との比較で危険になります。

前編の繰り返しになりますが、あらためて疑問を提示します。困難な環境問題に正面から取り組み、「フィルムレスボックス」という新製品に挑戦した企業努力は評価に値しますが、環境への配慮は利用者が怪我する危険を冒してまでやらなければならないことなのでしょうか。私としては、やはりこの「フィルムレスボックス」を大切な家族(特に小さな子供)に使わせたくありません。使用状況(急いで取り出そうとした時、子供がふざけて振り回した時など)により、ミシン目で手や指(場合によっては足なども)に怪我を負う心配があるからです。製品の開発方針が根本的に再検討され、よりよい製品が誕生することを切望いたします。


箱の裏面をスキャンしたものです。PL対策の警告文などが追加されています。なお、製品仕様の変更には、PL対策の警告文や使用説明の変更も含まれます。右の写真は箱の裏面をスキャンしたものです。PL対策の警告文などが追加されています。


取り出し口に追加された説明文章をスキャンしたものです。右の写真は取り出し口に追加された説明文章をスキャンしたものです。


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